おたのしみかい

言葉に出したら薄っぺらいけど愛がここにあるんだ

日経エンタテインメント!を読んだ

前置き:ジャニーズも2度売れないといけない

一時期、「芸人は2度売れないといけない」という話題があって。元は、松ちゃんの「大阪の芸人は2度売れないといけない」らしい。大阪の芸人はまず地元で1度売れて、次に東京進出後、全国区になるのにもう1度売れなければいけない、という話。そこから始まって、大阪に限った話ではなく、1度目で顔が売れた後、2度売れることで確実に人気のある芸人になるというのが、最近の定説、っぽい。

これはジャニーズのアイドルも似たところがある。違うのは1度目のところ。ジャニーズのアイドルはデビューで売れないってことはまずない。事務所が確実に売ってくる*1。ただ、顔が売れるかというとそれは別で。デビューシングルというのは売れるんだけど、ファン以外にリーチするかというと、うーん……というところがある。ファン以外の人の目にもある程度は入るだろうけれど、ジャニーズ増えたの?ふーんくらいで、恐らくグループ名が届けば御の字程度ではないかと、推測される。だからこそ、グループ名でインパクトを出してくるんだろうし*2

そんなわけで(?)、ジャニーズもっていうかJUMPも2度売れないとっていうのを、いつか書きたいと思っていたので、今回の記事の方向性はかなり納得。

(ここから超長いです)

 

 

2度目のデビュー、2度目の"平成元年"

55ページにJUMPのデビュー時のコンセプトが「平成の世に、昭和のキラキラしたアイドルを」だったとあって、驚いた。全然知らなかった。旧7の「昭和でshowは無理」ってあれ、すっごい衝撃与えたぞ。あそこから「昭和のキラキラしたアイドルを」って無理があるよ…それこそ無理だよ…。
気を取り直して。今回の特集は、「2度目のデビュー、2度目の"平成元年"」と題されている。こういう特集が組まれること自体、もうムーブメントとしては起こっていることになるわけだが。この「2度目」というのは、前置きで書いた、存在(顔、ジャニーズの場合はグループ名と言った方が適切か)が何となく知られた後、一般的な人気を獲得するということだろう。
28~29ページにある男性アーティスト編ボーカルグループ最新勢力図を見てみると、JUMPの位置が見えてくる*3。嵐・関ジャニ・キスマイに続くポジションに、WESTと共にいる*4。アリーナクラスと言っても動員数は結構なもの。多ステしているファンが多いのかな?というのが最近見ていて思うところだが、実際、アルバム(JUMPing CAR)は私が思っていたより1割増くらいで売れていた。
日経エンタテインメント!では、一般的ブレイクから遠ざかっていたワケを「ステージ中心の活動」と説明している。確かにそうなんだろうが、それは本人たちが選んだ道だったわけではないし、今、メディア中心の活動に移行しているのも本人たちの希望だけでそうなっているわけではないだろう。今、キテると言うべきか、今、推されてる(事務所に)と言うべきかは悩ましいところだが、慈善活動ではないんだから全くイケっこないものが推されることはない。少なくとも、今、イケると考えられているのは確かで、まさに節目が来ているんだろうと、改めて思った次第。

 

JUMPをひも解く4つのキーワード

1 王子様系

日経エンタテインメント!のテキストが所々辛口でウケる。「全員が20歳超のメンバーからすると、あらためてコテコテ王子様路線を見せていくことに多少のためらいも」って!まあ、Chau#はCMソングということで、商品イメージに沿っての甘々な曲になっていて。でも、それをCDにするときに王子様な味付けにする必要は本当はないんだよね。CMはポップめだけどごく普通の衣装だし。なので、カッコイイに振れない以上、かわいいの極致に振るしかなくて、Chau#みたいのを本当に若いグループがするっていうのも実はあまりないよねっていう。大人だからこそのファンタジーでしょ、ためらってる場合じゃないよ(そもそもためらってもいないんじゃ…?)なんて思ったりしました。

2 ジャニーズ最多

女子ドルと比べれば、今の9人なんて多くないよね。NEWSだって…。
それはともかく「”大所帯”はテレビに呼ばれにくい」、基本的なことだけど、全く意識してなかった。フォーメーションで見せるについては、時代の流れにうまく乗っかった感がある*5。そして「ライブ時代」。経験は生きるはず。知念くんがVSに出たときに、ニノが、真剣に空中ブランコするコンサートってある?的なことを言ってたけど、きっとそういう活動がいつか生きるんじゃないかな。

3 最若ファン層

「CD購買者の平均年齢は17歳」…\(^O^)/
JUMPの現場若いなって、思ってたんだけど、そういうことなの?!mjk
「8年目にしてファンが平均17歳ということは、最近新しくファンになった人の多さを意味する」とあるけど、それは古参がすでに去ってしまっていることも合わせて意味してしまっているのではないかという心配が一つ*6。あと、一般へのブレイクってことを考えると、そういうジャニーズへの親和性が高いお年頃ではないところに届かないといけないんじゃないの?という疑問が一つ。
共に歩いていこうというのは、嵐さんがよく言うフレーズなので、まずはそこからというのは間違いない。でも、国民的アイドルを目指すのなら、私よりもさらに上のいわゆる団塊の世代あたりまで届く必要がある。これは難しい。紅白出ればいいって話でもないし(NYCは出てたけど、たぶん上の世代には全く届いてない)。うちの家族はそこそこジャニーズを知ってるので、JUMPと言ったら山田、程度には知ってるんだけど、上の世代だとそれさえも怪しい。たぶん、知らない。もしかしたら、必殺あたりで知念が視界には入ってるんだけど、今度はJUMPであることが届かない。いのっちがジャニーズってわからないのと同じで、本当に難しいところ。とりあえず、上の世代受け抜群そうな中島くんを朝ドラか大河にツッコみたい気持ちでいっぱいです*7

4 2度目の”平成元年”

個人的にはまさに平成元年。去年、うちの家族が山田のことを気にし始めたのも同じ流れで。実感としてある。本当に。
とりあえず注目すべきは冠番組と24時間テレビ。特に24時間テレビは歴代と比較されやすい(募金額とかチャリTシャツの売上とか視聴率とか)ので。がんばれとしか。

 

メンバー紹介

意外と面白かったのがこのメンバー紹介。ていうか「研究」2ページの後にメンバー紹介っていうのが面白。JUMPがキテるという現象の特集なんだなと改めて。

「ミスターJUMP」で「気分がすべて顔に出る」山田。
「メンバーからはオタクと恐れられている(?)」中島。
「ジャニーズに求められるスキルとしてひとつたりとも不得手なものが見当たらない」「大野智マニアとしても有名*8」な知念。
「薄口オーガニックな顔立ち」で「熱心なマネジャーか」とツッコまれる岡本。
「グループを幅広い層に向けて発信する際のキーマンに」と期待される有岡。
「母親的存在」と「伸びしろ」というなかなかない組み合わせの八乙女。
「かわいらしいエピソードが多い」と「ギャップの開花」を楽しみにされている高木。
「おねむ男子」という最新キーワードで紹介されつつも「認知度はまだあまりない」とばっさりな伊野尾。
「ジャニーズ魂を受け継ぐ正当派」なのに「おじいちゃん顔」も紹介されちゃう薮。

メンバー紹介、愛にあふれすぎ(笑)。個人的には、薮くんってまだ大学に在籍していたんだなというのが、一番印象的だったり。確かに、年齢層拡大という点では有岡くんが第一のキーマンだとは思う。ただ、民放もいいんだけど、NHKがやっぱり強いとも思うわけで。あと、伊野尾くんは今はミステリアスだけど、ブレイクしたら恐らくミステリアス売りにはならないんじゃないかな?あんなにしゃべるミステリアスな人っていないよ。嵐じゃないけど、身近にいそうな(普通の感覚を持った)お兄さん路線じゃないのかなあ。ブレイクしたら、1周まわってミステリアスっていうのは十分あると思うけど。

 

座談会

座談会、面白いね。ここがクライマックス。写真込み見開き×3、ページ数としてはそんなに多くないんだけど、読み応えがあった。

■7

「スタッフとの打ち合わせに参加できるようになったのが、ここ2年」とか、アルバム曲の選び方とか、「メンバーを今後どうしていくか計画」とか、ああ、そうなんだって思うことが多くて(元々JUMPのことを知らないから余計に)。山田のやる気と中島裕翔くんの優しさと岡本くんの堅実さと知念のクレバーさ。岡本くんの英語の話とか、「少しでもグループの力になりたい」とか、感動した*9。特に知念くんね。すごく慎重なところがあって、でも「ジャニーズの弟」とかちょっと面白い。
山田くんの「ファン以外の人が見て面白いライブかな?」とか、知念くんの「ちょっと玄人向けすぎた。そういう方向でやりすぎたな」と反省の弁を述べているんだけど、何かライブのリアクションとかでそういう実感があったのかなあ?私はsmartをDVDで見てとても面白かったよ、大丈夫だよって言いたい。「広い会場なんだからエンタテインメント性を」って、まるで松潤な発想なんだけど、JUMPはJUMPでいいんだよと思う。ジャニーズには大きい会場でもシンプルな構成の先輩もいますよね。いつも遊園地のわくわく感というのではなくて、ワクワクのときもあればかっこよくてため息しかないときもある、というのもアリ岡なのではないかと。
あと、岡本くんの英語キャラについて。英語ができる、だから語学番組に、ならわかりやすくていい。でも英語をボケに使うっていうのは実は難しいところがあると思っていて。一番簡単なのは「Why? Japanese People!」的に勢いで持っていく方法はあるけど、長続きしそうにない上に、岡本圭人向きとも思えない。この間のしやがれでは嵐が「英語だとフランクすぎて許しちゃう」って体で笑いを作ってくれていたけど、これは目上の人があってこそでメンバー内では成立しない。そして、英語で言うだけではボケとして弱い。もう一つ「なんでだよ!」って要素がほしい。英語で言うこと自体おかしいんだけど、言ってる内容もおかしいみたいな。しかも、その言ってる内容がわかりやすい英語じゃないと、ダメなんだよね。
嵐のワクワクに参加した感想として「なにげないトークも面白く聞こえる」ってあるんだけど、あれは長い間やってる経験からだけじゃないよね。お互いを相当見てるもんね。アメトークとかで見られるのと似たような集団芸なんだと思う(JUMPの方の座談会で伊野尾くんが言っている「空気感が見えているから話の流れも分かっていて」というところ)。JUMPさんも頑張って!

■BEST

写真の伊野尾くんの手が美しいというか何というか、骨、筋。

「今のJUMPは彼らにどう映っているのだろうか」と始まる座談会なのに、ほとんど思い出話。伊野尾くんはここでもやっぱり、あまり過去を振り返らないというか、大変だったことをコメントしない。その分、薮くんが「マジかよ、『ネプリーグかよ』」って思い起こしているのが面白い*10。それにしても、お兄さんたちは7と比べて、ずいぶん昔から振り返ってる感がある。物心ついてるといったらおかしいけれど、デビューから数年のキツさは計り知れないものがある。年上組が怒られるってキーワード、山を思い出す。どこのグループでもあるんだろうね。そしてやぶひかの尊さ。
BESTコン!この甘美な響き。ジャニーさんに言ってる薮くん、さすが。ただ、確かに今じゃないって感じもある。11年目くらいに期待したいところです。

■JUMP

今年が山場というより、もうこの夏が山場なんですね。そんなタイミングに居合わせることができて、幸せ。
正統派のJUMPが体を張る意味、というのは確かに…と。まさにエンタテインメント視点。私が思うのは、正統派だからって、今の時代、歌とダンスだけで出られる番組は少ないし、じゃあ、水曜日のにまっすーが出てるみたいにJUMPで出るの?っていうとそれも何だかと思うし、あとは堂本兄弟的な?バンド形式はできそうだけど、ゲストを呼ぶ前にいろいろあるだろうし、番宣の人ばっかり来るとなると何かそこから先が見えない。手っ取り早くJUMPとしての経験値を上げるには、単体のバラエティ。となると、今のようなものになるよねっていう。いただきハイジャンプに関しては、スペシャルがいいめの時間帯に上がるなんていうのも、企画次第ではありそうなのもいいところだと思ってます。
グループ一番の危機は「CDを年間1枚も出さなかった年」。「メディアに出てないと一般の人には伝わらない」とか、実感として持ってるというのは強みだし、だてに8年選手じゃないってことなんだと。これから忙しくなって、貯金してきたものを払い出していくことになると思われ。見る側としては楽しみ。
BESTの座談会の思い出話部門から一転して、伊野尾くんが真面目な意見を言っているのも見どころの一つ。9人いれば役割がない人がいても…発言がおおいにウケた伊野尾くんだけど、グループの課題は「トーク力」で、「役割分担をもっと確立しなきゃ」と思っているんですよね。しやがれ、その前のワクワク、さらに前のVS、いずれにしても嵐さんから伊野尾くんへのパスが丁寧で。翔くんとか、もう、行くぞ行くぞ感がすごい。もちろんそれはお約束ならでは、であって。この間のしやがれで言うと、伊野尾くんが翔くんに、デビューイベントの時…と絡んだのは、まあ、瞬発力としては頑張れてたと思うけど、翔くんが言ったとおり「パンチが弱い」。いつでもパンチある発言ができるかっていうと難しいんだから、あとは智みたいに何でもないコメントでも顔芸を付けるとか、そういうちょっとした丁寧さだよね。伊野尾くんに関して言うと、嵐で言うなら相葉ちゃん的なテイストではなさそうだから、櫻井・二宮ラインがよさそうなんだけど、JUMPだともうちょっと前(フォワード寄り)なの?だとしたら、グループ内で伊野尾くんを美味しくする役割がやっぱり必要だよねとか。トークに関しては、大して見てない身でも(大して見ていないから、かも)思うところはあります。
あと、知念くんの「”ヒットソング”が欲しい」発言。それそれ!っていう。ちょっと前、家族とそういう話をしていたところ。ヒットソングっていう言い方ではなかったんだけど。桜の歌か、夏歌か、運動会で流れる歌か、クリスマスソングか、季節は何でもいいんだけど、シーンと直結してやたらBGMに入るような曲が欲しいんだよねって。私のイメージでは、嵐のHappinessです。「走り出せ」、今でも流れてる。「WAになって踊ろう」みたいな教科書に載っちゃうクラスっていうのは、狙ってどうにかなるところではないと思うけど、季節の方はシーンが明確な分、刺さりやすいから。ライバルも多くて、数ある曲の一つとして消化されがちという怖さもあるけど(嵐のSAKURAとか、来年にはもう桜ソングとして挙がってこないでしょう)。こういうのは枚数とは別物だったりするし、実際問題として、恐らくJUMPのシングルはタイアップだろうから、商品(番組等)との兼ね合いもあって難しいところはあるだろうけど、ぜひ狙っていってほしい。

 

 

全体的な感想としては、JUMPらしくあってほしいということで。嵐は2度目に売れるようになってから、ポストSMAPと言われ続けたけど、SMAPっぽくはならなかった(そもそも似てないし)。もしJUMPが今回の「2度目のデビュー」に成功して、一般的に人気が出るようになったら、すぐポスト嵐と呼ばれるようになる。実際、影響は受けるだろうし、比較もされるだろうけど、それでも、JUMPらしく進化する姿が見たい。目指せ、国民の弟?!

*1:忍者の「お祭り忍者」はB面違いの2種売りで別集計されて3位と10位だったというのを今知って、なんか不憫に思った。忍者もなかなか人気あったんだよ…

*2:よく嵐について、漢字1字って…ってツッコミが入る。確かに99年というのはまだインターネットがここまで一般的ではなかった。今だったら、漢字1字の普通名詞は検索とかでゴミが多くなるという理由で使われなくなるような気もする。が、個人的には、TOKIOの方がインパクトが強かった。沢田研二かよ的な意味で。

*3:あの図にはSexy Zoneは本当にその位置なのか?という疑問はあるが、とりあえず置いておく。

*4:嵐と関ジャニのような対にして売る感じが見え隠れしているのをあわせて考えると興味深い。

*5:嵐さんは最近フォーメーションぽいテイストが振付に入ってるんだけど、うーん今更?って印象を、個人的には持っている。

*6:まあ、日経エンタテインメント!的には「今いるファンを離さず共に年数を重ねていくことができれば」ということですけど。

*7:ただ、来期の大河は三谷作品なんですよね…三谷組ってイメージは正直ない。ということで朝ドラに期待、かな?

*8:大野智には「嵐の」って必要ないんだな、なんてことも思った。国民的アイドルになるって、嵐→嵐の大野智大野智、みたいなことなんだと。そう思うと道はなかなか長い。

*9:グループの力にというのは少し前伊野尾くんも言っていたし、さらに言うとNEWSの加藤くんが小説を書くようになったきっかけもその辺りといった話を先日の特番でしていて。こういう物語が現在進行形で紡ぎ出されていることが若さの煌めきなのかな、なんて思います。

*10:あのとき、薮・伊野尾でインテリ売りみたいな試みがあって、すぐ終わったという印象がある。クイズ的なものが好きなので見ていたけど、個人的にはいわゆるインテリ売りは無理じゃないの?って印象。今でも、賢い人たちだとは思うけど、博学・物知りというラインではないとも思ってる。