おたのしみかい

言葉に出したら薄っぺらいけど愛がここにあるんだ

優斗くんの夢

ここから先、ジャニーズ YOU&ME アイランドのネタバレになります。

 

 

 

 

 

ジャニーズ YOU&ME アイランド、私の初日は8日でした。幕が開けてはじめての平日昼公演。この日は那須くんがいなかったわけですが、レポを読んで流れを把握するという作業を怠っていた*1私は、後半に那須くんが葛藤と夢を語るシーンがあって、那須くんがいないということは誰かがアンダーに入るはずということを理解していませんでした。

だから、優斗くんが一人、舞台の上で夢を語り始めたときは、え?こんなセリフもあるなんて聞いてない…というとまどいの中にいました。
セリフが思いのほか長くて、メモには「セリフ長い」って書いてあるし、何なら「くつ下えんじ」って書いてある*2。このセリフが始まったときは、このセリフがどういうものか全然わかってなかった…

 

俺は毎日、すっっっげー楽しんで生きてる。日本は今日も平和だ。明日もきっと平和。正直、ずっっとそう思ってた。でもほんとは、次の日もどうなるかなんて、誰もわからないんだ。最近テレビでは物騒なニュースがたくさん流れている。日本はずっと平和だと思ってた。最近の日本は少し変わってきた気がするんだ。でも俺は!今の楽しい生活を!ずっと!ずっと!ずーーーーっとしていきたい!だから俺は、今できることを全力でやるって決めたんだ。毎日全力で、最後に後悔しないで終われるような、そんな生き方をするんだ! HiHi Jet 4人で、世間の人が、みんなが、「スターだ」と言ってくれるような、そんな存在になる。それが俺の夢だ! YOU  &  ME

 

なんか、葛藤を語る、ないし夢を語るシーンは、どの立場なのかが正直見えにくいなと思っていました。でも、たぶん、本人としてなんですよね?岸くんの「光一くんみたいに」っていうのはわかりやすいんだけど、平野の「東京に出てきて」みたいなのは、それまでも平野役を平野が演じている分、役としての平野が言っているのか、本人として言っているのか、よくわからない(その渾然一体とした感じこそ狙いなのだろうけど)。
そんな中、優斗くんは、リアル優斗くん100%で語りはじめました(つまり岸くんスタイル)。何なら、アドリブなのかな?って思ったくらいのナチュラルさで。らじらーで、ちょっと大事にいかなきゃいけない話題について話すくらいのテンションで。

那須くんは、葛藤と夢という、それまでの流れに忠実な形で「夢」をまとめていたようです。「A(葛藤)だった、でも、B(夢)」という形。

優斗くんはちょっと違う。いや、形としては「A(葛藤)だった、でも、B(夢)」なんですけど。Aに個人的な事情がない。ツラいことがあって、それでも、っていうのではなくて。確かに、今の日本を取り巻く環境の変化に関する漠然とした不安を示してはいるんだけど、個人的なツラいエピソードではないし、さらにいうと、はじめに「すっげー楽しんで生きてる」って言っちゃってるんですよね。葛藤としてはすごく弱いというか(笑)。表現として見たときは破格だと思います。でも、それがとてもよくて。

それまでの話型は、マイナススタートにプラスを乗せることでプラスをより大きく見せるというものだったのに、優斗くんはプラスにプラスを乗せてきた。本人はそんなパターン的なことは意図していないのだろうとは思いますが*3。そのポジティブなまっすぐさがとても優斗くんらしく感じました。優斗くんが今の生活を楽しんでいると言ってくれて、全力で頑張ってると言ってくれたことに安心したし、とてもうれしかった。

アドリブなんじゃないかと思ってしまうほどのナチュラルな語り口と、ひたむきに前を向く姿勢の相乗効果で、優斗くんの夢は観客に強い印象を与えたのではないかと思います。とても爽やかで、等身大で、その夢が叶ったらいいねって心の底から思える、そんな夢だったと思います。HiHi B少年で括られがちな今、「HiHi Jet 4人で」とあえてこの舞台の中で言うことで、よりアツい想いとして伝わってきたように思います。

何の覚悟もなく、お、優斗くんまだセリフあるんだ程度の気持ちで聴きはじめてしまった私は、優斗くんの夢に圧倒されていました。その後、何があったか全然メモできてないし、少ししてから、まだ夢のことを書いている始末。 とてつもないインパクトだったし、幕が終わったときもまだ緊張が残っていて、手が冷えていました(笑)。

このセリフ、もう一つとてもいいなと思っていることがあって。それは、この夢の前半部分は、きっと、このアイランドという舞台を通して優斗くんが思ったことなんだろうなということです。優斗くんは毎日忙しい中、楽しんで生きていて。確かに最近、物騒*4なニュースが流れてくるけれど、こわいな、でもたぶん大丈夫なんじゃないの?っていうのが大半の反応なのではないかと思います。でも、優斗くんはこの舞台を演じる中で、戦争というものの見方が少し変わってきていて、物騒なニュースが流れる今、楽しい生活をこれからも続けていくことの貴重さというところに行き着いたのではないかななんてことを、まぁこれは推測でしかないのですけれど、思いました。
優斗くんが演じた生き残りの少年兵が仲間たちの魂と一緒に生きていったとすると、優斗くんはちょうどそのひ孫にあたる年齢だななんてことをふと思い立ってしまい、このセリフの中に今の日本を取り巻く環境の変化を入れ込んだ優斗くんの感性*5って、とても素敵だなと思います。

 

今日のらじらー!を聴いた感じだと、那須くんがいないときは優斗くんが代わりに入るということでいいのでしょうか?
いつも同じ感じでこのセリフを言うのか、その時々で変わるのか。これからの優斗くんの夢が、今はそこがとても気になっています。

 

*1:優斗くんのレポだけを見ていた、ともいう

*2:座ったことで靴下がはっきり見えた

*3:途中に「でも」が必要くらいは意識してそうだけど。

*4:優斗くんから物騒というワードが出てきて、ちょっと、へぇって思った。

*5:ジャニーさんが常に戦争のシーンを入れるのは、戦争というものを自分なりに知った上で今の自分の生活、あり方について、若い人たちに何かしら感じとってほしいという思いがあるんだと思いますが、優斗くんが若者の一人としてその答えを劇中で示しているのは面白いなと思います。優斗くんの等身大若者力を感じた瞬間でした。